東都新聞記者・吉岡のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXが届く。日本人の父と韓国人の母を持つ彼女は真相を究明するため調査を開始する。一方、現政権に不都合なニュースのコントロールを任された内閣情報調査室官僚・杉原は葛藤していた。出典: U-NEXT
ライター/ジョセフ
解説/鯉西編集部
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#02新聞記者作品情報
「新聞記者」は2019年の6月28日に劇場公開されている、藤井道人監督による社会派サスペンスになります。
中日新聞の社会部記者・望月衣塑子2017年10月12日に角川書店から刊行した、ノンフィクション書籍が映像化されました。
伊坂幸太郎のベストセラーを原作とした「オー!ファーザー」や、山田孝之のプロデュースで話題になった「デイアンドナイト」等。
コメディータッチの作品からシリアスなヒューマンドラマまでを幅広く手掛ける、若手の映画作家によって制作されました。
映画公開直前に公式ホームページが何者かによるサイバー攻撃を受けたという、曰く付きの作品でもあります。
とある大学の新設計画を巡る醜聞と、新聞記者の女性とキャリア官僚の青年のそれぞれのドラマを描く感動作です。
作品データ
上映時間 | 113分 |
製作年 | 2019年 |
製作国 | 日本 |
原題 | - |
配給 | スターサンズ イオンエンターテイメント |
公式サイト | 映画『新聞記者』公式サイト |
受賞歴
第43回 日本アカデミー賞 2020年 | |
受賞 | 最優秀作品賞 最優秀主演男優賞 最優秀主演女優賞 |
ノミネート | 最優秀監督賞 最優秀脚本賞 |
#03新聞記者予告動画・あらすじ
予告動画
あらすじ
日本人の父親と韓国人の母親の間に生まれた吉岡エリカは、幼い頃からアメリカで海外生活を送っていました。
失意のうちにこの世を去った父の無念を晴らすために、日本の新聞社・東都新聞へ入社して記者として働いています。
ある時に吉岡の所属する社会部のデスクに送られてきたのは、新大学の建設予定地を巡る疑惑に関する1枚のファックスです。
関係者でしか知り得ない機密情報をリークした内部告発のようで、差出人の氏名も連絡先も記されていません。
用紙の片隅にプリントされているのは、サングラスと羊を組み合わせた子供の落書きのような不思議なイラストです。
羊の絵に秘められた恐るべき真相を究明すべく奔走する吉岡に、予想外の人物が救いの手を差し伸べてくるのでした。
#04新聞記者主題歌・挿入歌
主題歌
#05新聞記者キャスト・スタッフ
#06新聞記者見どころ
国境を越えた俳優たちの熱い共演
真実を追い求めるヒロイン・吉岡エリカに扮しているのは、1994年ソウル生まれの女優さん・シム・ウンギョンです。
子役として芸能活動をスタートとさせて、日本でも「春のワルツ」や「ファン・ジニ」など韓流ドラマで有名ですね。
父からは日本人の血とジャーナリストとしての使命感を受け継ぎ、韓国人の母に育てられ、幼少期をアメリカで過ごしています。
そんな無国籍感を漂わせた難しい役どころにチャレンジ出来そうなのは、同世代の日本人の女優では思い浮かびません。
松坂桃李がこれまで培ってきた好青年のイメージを覆すほどの、冷徹なエリート官僚を演じていて新鮮でした。
映画序盤での感情のないロボットのような表情に、次から次へと訪れる試練によって喜怒哀楽が芽生え始めている点に注目して下さい。
1部の新聞が手元に届くまで
記者が寄せられた情報をもとに取材をする、資料を集めて記事を執筆する、アンカーマンが纏めて裏付けを取る。
僅か数行の新聞記事を紙面に掲載するまでの過程が、リアリティーたっぷりに描かれていて引き込まれていきます。
上層部からの圧力によって記事が差し替えられてしまう業界裏事情など、報道の自由と公平性についても考えさせられるはずです。
名も無き無数の記者たちの血の滲むような苦労の末に完成した原稿は、印刷所の輪転機へと送られていきます。
真夜中にフル回転する輪転機からは印刷されたばかりの新聞が次々と吐き出されていき、その行き先は配送所です。
朝日が登る前の街並みを新聞配達人がオートバイに乗って駆け抜けていくシーンには、胸が熱くなることでしょう。
メディアを牛耳るほどの秘密機関の実態を解明
「サイロ」や「内調」などの略称でも呼ばれている、内閣情報調査室の知られていない活動内容に迫っていきます。
首相直属の情報機関で内閣府の職員ばかりではなく、本作品に登場する杉原拓海のように外務省から出向してきたメンバーもいるようです。
国内に潜伏中の不平分子、海外から入国予定の要注意人物、政界の複雑怪奇な勢力図、経済界の目まぐるしい相関図。
その情報収集能力には目を見張るものがあり、アメリカであればCIA、イギリスならばMI6と言えるのでしょうか。
日本国民の命や財産を守るために創設されたはずの部署が、いつの間にか政権の安定を守るための私兵に変わっているのが何とも無気味でした。
拡散するフェイクニュースやツイッターの炎上騒ぎの背後に潜んでいる、思わぬからくりも明かされていて驚かされます。
#07新聞記者感想・評価
疑うことが信じること
「誰よりもまず自分自身を信じて、何よりもまず自分を疑え」、というセリフには強く心を揺さぶられました。
無力感に打ちのめされそうになる吉岡エリカを幾度となく奮い起たせる言葉でもあり、今は亡き父親の座右の銘でもあります。
かつては新聞記者として活躍していた彼女の父が、スクープの誤報が原因となって自らの生命を絶ってしまった過去が痛切です。
正義感が強すぎて時には周囲の状況が見えなくなってしまう吉岡には、父と同じ轍を踏んでしまいそうな危うさがあってハラハラさせられました。
一方では記者として尊敬する父が残した熱いメッセージを胸に秘めて、巨大な国家権力へと立ち向かっていく吉岡の姿が勇ましく映ります。
エリート街道まっしぐらな官僚が立ち止まって迷う時
外交官として順風満帆な道のりを歩んでいき、プライベートでは美しい妻と間もなく誕生する予定の娘に恵まれて。
杉原拓海が住んでいるのは都内の一等地にあるタワーマンションで、ガラス張りのリビングダイニングからは夜景を見下ろすことが出来ます。
杉原の心の奥底では選ばれし高給官僚として、どこか周りの人たちを見下ろしていた気持ちがあったのでしょう。
そんな杉原の人生が一変することとなったのは、外交官として北京に赴任していた時にお世話になった神崎俊尚の死でした。
時の政権を揺るがすほどのスキャンダルと平行しながら、父親となった杉原の人間的な心変わりも描かれていて面白かったです。
命をかけて元上司が伝えたかったこと
決して交わることのなかったはずの吉岡と杉原の運命が、神崎の自殺騒動をきっかけに交錯していく後半パートがドラマチックでした。
悲しみに暮れる神崎の妻・伸子や娘の千佳が、マスコミ各社の取材攻勢に晒されてしまう場面には胸が痛みます。
初対面の時には杉原も吉岡のことを遺族の感情を傷つける無神経な記者のひとりとして、「あちら側の人間」としか見ていません。
そんな誤解が溶けるのが吉岡と千佳との奇妙な類似性が明かされる時で、これ以降のふたりの関係性は敵対とも共闘とも言えない不思議な味わいです。
杉原が内調の事務室に忍び込んで証拠ファイルを入手するシーンには、スパイ映画顔負けのスリルがありました。
みんなの感想・評価
映画「新聞記者」観ました。これが日本の現状なのか? と思わせるような内容でした。何かノンフィクションのようなフィクションだった感じです。原作の作者望月衣塑子さんが伝えたかった日本のジャーナリズムをまざまざと教わりました。そしてシム・ウンギョンさんが好きになる。記者の精神の鑑だ。 pic.twitter.com/d44DKiaXyl
— APT (@APT01787557) December 7, 2020
今更ながら映画「新聞記者」面白かった。ノンフィクションが過ぎるがw現実でも権力に殺される人っているんだろうね。忖度の世界、前政権とそれを悪い意味で踏襲する現政権。モリカケ桜にGoto学術会議etc.納得いかないことが多い世の中が少しでもよくなればいいなと思った次第。#新聞記者
— 疾風の痛風 (@alelelelexxlele) December 11, 2020
映画、新聞記者観ました。
— nosmokingroom (@nosmokingroom1) November 29, 2020
シムウンギョンさんの演技が秀逸です。
日本政府を守るために日々行われる
情報操作。それに悩む官僚たちと それらを暴くために奮闘する新聞記者。#新聞記者
#08新聞記者まとめ
杉原の協力を受けて吉岡の記事が世に出ることによって、物語はクライマックスを迎えます。
その舞台となるのは千代田区永田町の交差点で、背後に聳え立つ内閣府庁舎が威圧感たっぷりです。
如何なる脅し文句にも屈することなく、誹謗中傷を浴びることも恐れずに突き進んでいく吉岡には一片の迷いもありません。
その一方では守るべきものがあり外務省キャリア組への未練もある杉原は、最後の最後まで迷い続けています。
コントラストを浮き彫りにしたふたりが顔のない群衆の行き交う大通りを挟んで、何かを訴えかけるように見つめ合う幕切れが圧巻です。
ジャーナリストや報道関係の仕事への就職を希望している皆さんは、是非ともこの1本をご覧になってください。